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既に相場は9合目か? 2011年03月08日
2011年相場雑感 2011年01月04日において、
「本年は短期的には上昇局面に突入と予想。現段階では、一進一退しつつも日経平均で12000~13000円程度、リーマンショック前程度までの相場を想定する。」と記載したが、本年の相場の上限をやや悲観的に下方修正すべきかもしれない。
目先、中東情勢やこれに関連して原油・商品相場の影響を注視する必要があり、短期的には情勢の変化によって上にも下にも振れる可能性があるが、上値余地は案外限られる可能性がやや濃厚となってきた。
相場が下に崩れる可能性のある要因は、前記コラムにも記載した通りであるが、コラム記載時点より不透明度合が増してきたと感じる。
昨年秋のコラム、1年8か月ぶり買い場到来の可能性 2010年11月11日、過去10年間で3回目のテクニカルサイン 2010年11月27日において、上昇トレンド転換をファンダメンタル、テクニカルの両面から述べた。
現在はファンダメンタル、テクニカルの両面から、相場が既に9合目近辺まで到達したことを示唆するサインが多く出現している。
なお、欧州ソブリン危機や米国&欧州不動産の問題などの危機が再燃してもおかしくないことを示すニュースはニュースウォッチに随時記載しているので、ここで詳細に述べることは控える。
日経平均と移動平均線との関係、移動平均線の向きにより、現在の相場と似た過去の時点を見てみると、下記チャートのようになる。

下落していた13週線が底をつけて水平になり、日経平均株価が13週線を上に抜けた地点(チャート中の1)。
13週線が26週線を上に抜けるゴールデンクロスの地点(チャート中の2)。
26週線が52週線を上に抜けるゴールデンクロスの地点(チャート中の3)。
そして日経平均が高値を付けた後に、これを超えられずにいると、上昇していた13週線が水平になる地点(チャート中の4)。
前回はその後まもなく日経平均株価が13週線を下に割り込む。
そして上記チャートからわかるように、今年1月には既に3の地点を過ぎている。現在は2009年夏の時点に似ている。
2010年11月(あるいは2010年8月)から続いていた上昇相場はまもなく天井を付けるか、あるいは既に今年2月が高値であった可能性も生じている。
なお必ず高値を超えられないということはなく、中東情勢、原油・商品相場、欧州等のソブリン危機、欧米不動産、これらに影響される国内外の経済情勢次第ということになるだろう。
なお、日経平均よりもJASDAQ指数(下記チャート)やTOPIXの方がわかりやすく、相場の実情に近い。
JASDAQ指数のチャートは、一昨年の天井を形成した2009年9月頃の形にそっくりである。
(ただし今回もここで天井を形成するとは限らない。J-REITに引き続き、東証2部、東証マザーズも昨年高値を既に超えている)

ところで、JASDAQ指数(上記チャート)やTOPIX、東証2部などのチャートを見れば、2009年以降に、大きく3つの山が形成されていることがわかる。
2009年9月、2010年4月、そして現在である。
株価の先行指標として筆者が注視している、景気ウォッチャー調査/景気動向指数/ケース・シラー指数 2011年03月08日を見ると、上記株価チャートの3つの山に対応して、指標(下記チャート・景気ウォッチャー調査)の3つの山が形成されていることが見てとれる。

ただし、景気ウォッチャー調査・現状判断DI(上記チャート)の3つ目の山はまだ形成中であり、先行きは国内外の経済情勢次第ということになるわけであるが、景気ウォッチャー調査・先行判断DI(下記チャート)に頭打ちの兆候が見てとれる。
つまりは、このまま景気の先行きが悪くなるようであれば、株価は既にこのあたりで頭打ちとなることを示唆しているのであろう。

以上のことから、現段階では、目先の相場は一進一退しつつも日経平均で10000~11000円程度、目先の懸念が払拭されて上昇しても11500円程度までの相場を想定する。
3月後半から4月前後にかけては特に下ブレリスクが強く、企業も先行き見通しに慎重であることから4月~5月の決算発表での業績予想を控えめに出してくることが想定される。通期決算発表での持ち越しには慎重であるべきかと思う。
もしも欧州ソブリン危機や米国&欧州不動産の問題などの危機の再燃、あるいは新興国の経済危機などの勃発があれば、日経平均で9000円程度までの相場も想定されるかもしれない。
以上が、当面を想定した筆者の相場観である。
次に、もう一つの筆者の懸念は、米国不動産の指数であるケースシラー指数では、2つの山を形成した後、3つ目の山を作ることなく、底割れの気配すら見せていることである。
欧州ソブリン危機や米国&欧州不動産の問題などの危機の再燃を防ぐことができなければ、経済も株価もいよいよ2番底、ということを示唆しているのであろう。

2012年以降には特に要注意と思っている。
「リーマンショックを引き起こすこととなった問題の根源は、ほとんど解決していない」という筆者の認識は2011年相場雑感 2011年01月04日において記載した通りである。
本格的な不良債権処理をしなければならないと考えれば、いずれ2003年のりそな救済に至るまでと同等の(しかも金額的にはケタ違いの)経過を想定しなければならないのではないか?
いずれかの国のデフォルトを含むソブリン危機、通貨危機までを想定しておくべきであろう。
2011年相場雑感 2011年01月04日
2010年のコラムに記載したように、本年は短期的には上昇局面に突入と予想。現段階では、一進一退しつつも日経平均で12000~13000円程度、リーマンショック前程度までの相場を想定する。
一方で、リスク要因は依然として"増大し続けている"ことに留意が必要で、楽観論が主流となっているからこそ、いざという時にすぐに対処できるよう、リスクシナリオを想定しておくべきと考えている。
目先的には、騰落レシオが高水準にあることや、昨年、一昨年と1月から2月にかけ下落相場となっていることから、大崩れはないとは思うものの、要警戒。
欧州諸国の債務問題がリスク要因の最大のもので、国債の格下げ懸念や、4月に予定されるスペイン国債の大量償還が留意点である。
米国では、QE2が今年6月までであり、この延長問題が4月26,27日のFOMCでの議題となることに留意。さらに米国の最大の問題は、2008年に問題となったことの延長で、フレディマック、ファニーメイ等の住宅金融と、昨年11月に1社がついに倒産したモノライン問題、これに関連して地方債などの問題が時限爆弾である。
結局、時価会計の一部棚上げなどの先送りで、2008年にリーマンショックを引き起こすこととなった問題の根源は、ほとんど解決していない。
リーマンショック時の金融危機が日本の1998年にあたると仮定すれば、現在の株高は1999年の段階にあたるのかもしれないが、本格的な不良債権処理をしなければならないと考えれば、いずれ2003年のりそな救済に至るまでと同等の(しかも金額的にはケタ違いの)経過を想定しなければならないのではないか?
次に、欧米での問題が新たに来るであろう"○○ショック"として顕在化したときに、新興国から資金が流出する懸念がある。中国バブル崩壊が懸念されているが、中国の様々な問題よりもむしろ、アジア通貨危機や中南米危機のミニ版を筆者は懸念している。
これに加え、日本についてはデフレ問題から、さらには長期的な日本経済の衰退を織り込み始めているのではないかとの懸念を禁じえない。
以上のことから、筆者は2011年の相場については強気であるものの、常に目先警戒、そして長期的には悲観、ととらえている。
株式の信用取引については従来通りの方針であるが、喫緊の課題としては、短期的な急落、暴落が懸念される状況になったときに投資信託をどうするか、投資信託の売却あるいはヘッジ方針の検討、そして長期的には、投資信託の為替ヘッジ対策の検討、投資信託以外の資産保有(ETFその他)といったところを考えたい。
