過去10年間で3回目のテクニカルサイン 2010年11月27日

上記は過去10年間の日経平均株価、13週移動平均線は緑色、26周移動平均線は赤色で示されている。
筆者は必ずしも日本株式に楽観的ではないが(たとえば2020年とか2030年には日経平均5000円以下でもおかしくないと考えている)、目先のことをいえば、テクニカル的には、過去10年間で3回目の買いサインが出現したと考えている。バブル崩壊後の過去20年間では6回目である。
下記の条件をすべて満たすテクニカル面でのサイン:
(1)※上記チャート中の赤の矢印部分、
下向きであった13週移動平均線を日経平均株価が下から上に突き抜け、
次いで下向きであった26周移動平均線を日経平均株価が下から上に突き抜け、
これに続いて、
(2)※上記チャート中の青の矢印部分、
13週移動平均線と、これに遅れて26週移動平均線が横ばいに、そして上向きに転じ、
次いで13週移動平均線が26週移動平均線を下から上に突き抜け、結果としてゴールデンクロスが出現する。
以上のテクニカルサインは、過去10年間に2回出現し、今回の発生が3回目となる。
2003年6月、2009年4月、2010年11月。
過去2回はいずれも上昇相場の初期に出現し、その後に上昇相場が継続した。
今回を含めて3回の株価の動きも似ている(※上記チャート中の金色の矢印)。
※ちなみに、バブル崩壊後に上記サインが明確に出現したのは、上記3回以前では1993年3月、1995年8月、1999年2月である。上記条件をすべて満たしているかどうかやや不明確なものはダマシに終わっている例もある。明確に出現した場合には、バブル崩壊後の過去20年では前回までの5回とも例外なく、その後1年~2年程度は上昇相場が続いている。

下向きの下落トレンドからの大きな転換を示唆しており、今回もそうであるとは限らないものの、2011年の株価は堅調となる可能性が高いと筆者はみている。
相場の予測は内外情勢によって臨機応変に変更するので、あまり具体的な数字は書きたくないのだが、日経平均株価でいえば12000~13000円程度もありうると、いまのところは考えている。リーマンショック前の株価を回復できるかどうかの水準が意識されるかもしれない。
今回、2年連続でこのサインが出現したことについては、2009年に大底圏からのトレンド転換となったものの、民主党政権の経済失政および円高進行によって株価が失速し、半年間近くの相場底練りを経て、再度サインが出現したものと考えている。
前回はリーマン破たんから2009年4月までの5か月間、そして今回は2010年5月から11月までの5か月間と、株価底這いの期間もほぼ同じ。リーマンショック時の下落幅が大きいためわかりにくいが、チャートの上下の縮尺を調整すれば、前回と今回のチャートの形もそっくりであることがわかる。
なお、このサインは大底圏でのトレンド転換を示唆するものと思われるので、高値圏では明確には出現していない(移動平均線が下向きでなく、元々上向きであるため)。
また、サイン出現後に、上昇がどれだけ継続するかまでを示唆しているわけではなく、2005~2006年のような大相場がくるとは必ずしもいえないと考えられる。
1年8か月ぶり買い場到来の可能性 2010年11月11日

テクニカル:
13週移動平均線(青)に続いて、26週移動平均線(赤)が、下向きから横ばいに転じてきている。
これによりゴールデンクロス出現の可能性。
共に下向きの13週移動平均線、26週移動平均線を、日経平均が下から上に突き抜け(緑)。
下降トレンドからの転換を示唆し、下落局面での突き抜けは2009年3月以来。
同様の状況が個別銘柄でも多数発生している。
ファンダメンタル:
決算発表企業の2/3程度が、業績予想を上方修正。
PER,PBRなどの面で、リーマンショック直後と同程度に異常な割安企業が多くなっている。
当時より株価は上昇しているが、業績も当時より向上し、ファンダメンタル面では同程度に割安。
相場環境:
アメリカ中間選挙、FOMCを通過し、円高圧力の緩和。
日米金融緩和。
2010年5月高値期日通過、買い残の整理進む。
相対的な日本株の出遅れに海外からの買いも入ってくる可能性あり。
日本株は景気敏感株とみられており、下落から上昇への転換時には、相対的にパフォーマンスが良くなる可能性もあり。
筆者の相場予測:
以上のことから、来年春頃まで、短期的には上昇局面に突入と予想。
一進一退しつつも日経平均で11000~11500円程度(場合によっては12000円以上)の実現を予想。
EU各国の債務危機など、リスク要因は依然として存在し、来年春頃までの間に1回は目立った下落局面があってもおかしくないが、1年半ぶりのトレンド転換となるようであれば、基調は変わらずと予想。
上記シナリオの投資戦略:
信用取引におけるJ-REIT個別銘柄の比重を減らし、上昇局面においてよりリターンの期待できる中小型株式の比重を増やす。
目先、比較的出来高や人気のあるモバイル関連と住宅関連を主力とするが、来年にかけて資源価格の上昇があれば貴金属・資源関連相場の再現もあると予想。
ポートフォリオ全体での海外株式関連が少ないため、投資信託やETFの活用を検討。新興国バブルに留意。
債券関連は、欧州債務危機や欧米デフレ懸念を背景とした高格付債バブル、低格付債売りが起きないか注視。
※テクニカル面での上記現象は2008年5月頃に出現したこともあるように、上記予想が外れる可能性も当然にあり。(この場合には、2008年6月に再度移動平均線の下に落ちたこと、26週線が上向きに転じなかったことから、同様に判別可能か)
※景気ウォッチャー調査/景気動向指数からはまだ買いサインの確認はできていない。
※上述したテクニカル面での現象は、JASDAQなど新興市場では出遅れて出現する傾向にあることに留意。日経平均の上昇転換がはっきりしてから新興市場・小型株の買いに入っても間に合うともいえる。

中長期運用検討のための比較チャート 2010年09月03日
(1)TOPICS、JASDAQvs新興市場割安銘柄(2年チャート)
ワッツ(2735)、ファーマライズホールディングス(2796)、PLANT(7646)。
上昇相場での、高業績&割安株のパフォーマンスは圧倒的。

(2)同上(3か月チャート)
閑散相場の下落局面では平均よりパフォーマンス悪い。需給要因&散発的な投げ売り。割安などのファンダメンタルは関係ない。(なお8月末の下げは筆者の手仕舞いの影響あり)

(3)TOPICS、JASDAQvs東証REIT指数連動ETF(2年チャート)
TOPICSとREIT指数は連動性あるが、REIT指数連動ETF(1345)の方がパフォーマンス良好、これに加えて配当高い。
ただし新興市場個別銘柄ほどの上昇にはならない。
注目すべきは、2009年2~3月、2010年9月の相場低迷時、REIT指数は逆行高(もしくは株価に先行)。

(4)TOPICS、JASDAQvsREIT個別銘柄(2年チャート)
日本ロジスティクスファンド(8967)、阪急リート(8977)、ジャパンエクセレント(8987)。
業績や配当、決算期に留意してREIT個別銘柄に投資した場合、REIT指数より高いパフォーマンスが得られる可能性が見て取れる。

(5)TOPICS、JASDAQvs海外株式ETF(1年チャート)
海外先進国株式(1680)、海外新興国株式(1681)いずれも、日本株よりパフォーマンスがよいが、特に新興国株式がよい。

(6)TOPICS、JASDAQvs新興国株式ETF(1年チャート)
ブラジル(1325)が比較的強く、中国A株(1322)と上海(1309)は上昇も大きいが下落も大きく、インド(1678)は新興国の中ではTOPICSに近い。

中長期運用方針 ※7/31改訂 2010年08月01日
従来の小型株投資は当たれば大きいものの、その逆の時には売るのも困難で資産を減らすことを繰り返してきた。この反省に基づき、マネックス証券での運用に一本化し、投資方法を少々変更し、中長期運用方針を改訂する。
中長期での底値圏であり分配金利回りの高い投資信託を現物保有、J-REIT・ETFと、中小型株とを半々程度に信用取引での短期売買とする、安定運用に比重を少し移すことにする。
配当や定期的な分配金での安定収入を現在の200-300万円前後から最終的には1000万円程度にまで増やすことを最終的目標とする。
長期保有できる銘柄に絞ったREIT、現物株保有を主体とし、今後は減らさないことを心がけるべきであり、むしろリターンを得やすい時期に投資を集中する方が効率がよい。特に信用取引については休む期間を設ける。信用取引については全体の相場下落時、個別銘柄の相場下落時、決算発表予想に相当程度の自信が持てる場合にのみ、集中的に短期売買を行うこととする。個別株以外でも日経平均やTOPICS、新興市場・小型株指数に連動するETFの取引(ヘッジ目的の信用売りを含む)を活用する。
証券会社の選定
今回改訂する中長期運用方針においては、(1)投資信託が充実していること(マネックス、SBI、カブドットコム、楽天等)、(2)投資信託を信用取引の担保にできること(マネックス、カブドットコム等)、(3)手数料が安いこと(SBI、マネックス等)の条件を満たす証券会社である必要がある。
このため筆者は、今後、マネックスをメイン口座とし、マネックスでは株式時価総額による建株限度額があるため、SBIを小型株用のサブ口座とし、当面は利用しないがアイザワ証券を中国・シンガポール株式用の口座とする。
直近の運用成績とその反省点
下記は、日経平均およびそのRSI、MACDと、筆者の資産残高との相関を示す。
(資産残高の数字の、青い文字は下値、赤い文字は上値)

信用取引のレバレッジ効果により増加速度も速い一方で、相場下落時にはそれに巻き込まれてしまう結果となった。その要因は常にフルに買い出動しているためである。
これだけの変動が出るのでは安定運用とは言い難い。
一方で、相場下落時の資産減少リスクを最小化すれば、むしろ運用の手間暇を減らしつつ資産増加速度が増える可能性も見てとれる。
したがって、"休むも相場"を実践した方がよいこととなり、特に信用取引についてはそうである。
一方、当面は日経平均はボックス相場を想定するが、まだまだ安値圏であり、特に新興市場指数は出遅れと判断、長い目で見ての大底圏であることに変わりはない可能性が高い。
数年単位の長期的スパンで見れば、買い時売り時の判断には、12か月移動平均と24か月移動平均が最適と思われる。
ただしゴールデンクロス、デッドクロスは遅れて出現するので、12か月移動平均線の向きが水平になったポイントを先行指標として併用する。
本年秋まではボックス相場が続くとみている。
中長期的には安値圏であり、日経平均はともかくとして、日本の新興市場、小型株、J-REITなど、絶好の買い水準のものが多く、本年11月頃まで、またとない買い場が何度かあると予想する。
※下記チャート参照(ゴールデンチャート社)

※日経ジャスダック平均

※東証REIT指数
現物保有方針
分配金狙いの現物資産として、J-REIT投資信託を長期(半永久的)現物保有する。価格変動リスク、減配リスクはあるが、REITについてはいまなお大底圏であり、投資信託の分配金利回りは10~15%程度となっている。仮に基準価格が半減しても数年で元が取れると考えれば問題ない。
海外REITと比較しても出遅れであり、日本の新興市場や海外株式がリーマンショック前の水準に届きつつある状況で、リーマンショック後の2008年11月の水準にある現在は、格好の仕込み時である。

より高い分配金利回りのものとして、海外REIT投資信託を現物保有する。投資信託の分配金利回りは15~18%程度となっている。
価格変動リスク、減配リスクに加えて為替変動リスクがあるが、分配金利回り15%としても、仮に基準価格が半減しても数年で元が取れると考えれば問題ない。

※グローバルREIT指数
この他、分配金利回りが10~15%程度となっている債券関連の投資信託を現物保有候補とする。
現物保有の1/3をJ-REIT関連、1/3を海外REIT関連、1/3を債券関連(ハイイールド社債・エマージング債券・先進国債券)の投資信託とする。
基準価格が上がれば利回りは低くなるが、それでも10%以上の利回りを目標としてポートフォリオを構成する。
短期売買(主として信用取引)方針
一方で、上昇相場については、確実にキャピタルゲインをモノにしたい。
相場全体の上昇・下落は、1か月、2か月の単位で頻繁に起きている。
これを判断するために、各種指標やニュースを判断し、信用取引については、全体の相場下落時、個別銘柄の相場下落時、決算発表予想に相当程度の自信が持てる場合にのみ、集中的に信用取引での短期売買を行うこととする。
この方針によれば、上昇・下落の転換を適切に判断できた場合には、相場下落時の資産減少が少なくなる"はず"であり、その運用成績と当面の運用方針は"月次運用報告"に記載する。
複数の指標が底値圏を示唆しているポイントはかなりの確率で買い出動のチャンスとなっている。(2008年9月末がその例外であった)
投資信託を担保に、信用取引を行うが、その半分程度をJ-REITの個別銘柄、各種ETFとする。
信用取引の残りの半分は、ある程度流動性のある中小型株とする。
マネックス証券では、1銘柄毎の上限建玉株数が時価総額100億以下の銘柄だと発行済株式数の0.1%までであるが、特定銘柄への集中投資という従来の方法を見直し、流動性リスクを過度にとることを控える。
J-REIT、ETF、投資信託や、流動性の高い銘柄でも1~2割程度の上下動はするもので、信用取引は短期売買を基本とする。
J-REITについては、配当利回り6%以上、直近では9%前後のものもあるが、むしろ配当狙いの買いによる上昇局面での利益確定を考える。
J-REITの個別銘柄については、決算時期が銘柄によりばらけており、その時期ごとに配当取りによって上昇する確率が高く、一種のアノマリー投資として、短期勝負でリターンを得やすいと思われる。
なお今後、株式同様に、J-REITや投資信託についても、投資方針・運用成績・分配金見込みなど、個別銘柄についての分析は必要であろう。
全体のポートフォリオがREIT関連に集中しすぎるようにも思えるが、(1)実際にはTOPIXなどの株価との連動性が大きい、(2)個別銘柄株式より不意の業績変動が少ない、(3)配当狙いの半年ごとの買いが入ることにより長期塩漬けになりにくい、(4)目下の株価の下げ局面でも相対的に強いようにディフェンシブ銘柄でもある、(5)資金の流入が続く毎月分配型投資信託などの買いが見込まれる、(6)現在の安値圏での買い(特に配当落ち後の買い)であれば、仮に長期保有することになっても高配当が得られる、(7)以上のことから信用取引の金利以上のリターンを得やすい、(8)不動産実物投資よりリスクが少なくリターンは悪くない、(9)仮に日本と世界のREITが大暴落する状況となるならば何に投資していても同じこと、(10)流動性が高いのでいざというときに逃げやすい、といった理由により、上記運用方針を当分の間、採用する。
株式については、今後、小型株の買いは主としてSBI証券で行うが、こうした銘柄は徐々に従来より減らし、現物は配当目的の投資信託、信用は中型株や個別REIT、ETFなどに比重を移し、いずれマネックスに一本化していく予定である。
現在を安値圏(特に新興市場の内需株など)と判断するならば、明らかな出遅れ銘柄、超割安銘柄を短期売買の対象とする。月足チャートを見ての投資判断も、大底圏にある銘柄の仕込みに活用する。

集中投資時期の検討
運用資金が大きくなってきたため、これまでのような一年中の投資、フルレバレッジに近い投資をする必要もなく、資産増加可能性の高い時期に限った投資でも、率はともかく金額的には十分なリターンを得られるものと想定する。
一方、暴落直後のような超安値ではなくなってきたため、下落リスクを避けるためにも投資方針の変更が必要と判断した。
ここぞという時に信用取引を使う方法とした場合、個別株以外でも日経平均やTOPICS、新興市場・小型株指数に連動するETFの取引によっても大きなリターンを得られると思われる。
決算発表シーズンなど、どうしても小型株への集中投資をしたい場合には、SBI証券(小型株用のサブ口座)を利用し、500~1500万円前後を配分し、これを担保に信用取引も行う。
新興市場が活況になればまた再考するが、しばらくは無理しないこととする。
特に決算発表に照準を置いた集中投資をする筆者の運用スタイルでは、通期決算発表時の運用成績が、例年、飛び抜けて良い。3月決算企業では4月~5月である。
参考書籍
「利回り18% この高分配ファンドでラクラク生活ができる」明地文男(あっぷる)
「Jリート市場は宝の山」伊山俊介(ポプラ社)
「一番売れてる株の雑誌ZAiが作った株入門 上級編」ダイヤモンド・ザイ編集部(ダイヤモンド社)
以上を中長期運用方針とし、検証のうえ必要に応じ見直しを行っていく。
小型株・新興市場銘柄を月足チャートを見て仕込む時 2010年02月15日
"2番底懸念"があるうちが買い時-2010年相場に向け本年のコラム総括において記載したように、"2番底懸念"が言われている間に買い仕込みをしておくべきであろうと考えている。
特に新興市場・小型株については既に下げすぎであり、ファンダメンタル面を考慮すれば、異常な安値に放置されているものも多い。
株価は実体経済に先行して動くものであり、実際に2番底がくるかどうかはともかくとして、実体経済の2番底がくるかも、というレベルには既に落ちてきている。2008年10月のリーマン・ショック時のレベルでのボックス圏で推移しているが、異常な安値あるいは高配当利率になっている銘柄に関しては、現在の株価の下げすぎを示唆している。
短期的にはもう一段の下げもありうるが、長い目で見ての大底圏であることに変わりはない可能性が高い。上昇トレンドの中の押し目にすぎない銘柄も多い。リーマン・ショック前の高値を更新している銘柄もいくらでもある。
昨年安値を下回ったものから、上昇トレンドを維持しているものまで、銘柄による格差が大きく、銘柄選定が重要になっている。
長期保有をも視野に入れるならば、高配当銘柄の絶好の仕込み時である一方、減配リスクの低い銘柄、業績不安の少ない銘柄の選別をしなければならず、業績動向の監視をしておく必要がある。

ジャスダック指数:1998年以降、今日に至るまで下値切り上げである。
新規に買える水準の銘柄が増えた状況は、短期売買目的のほか、配当利回りなども考慮した長期保有目的の銘柄の買いチャンスでもある。
筆者の戦略としては、東証J-REIT指数連動のETFなどを配当獲得目的の長期現物保有とする。
また、減配リスクの低い銘柄、業績不安の少ない銘柄について、配当利回りも意識した現物の中長期保有をする。
これに加え、従来より行ってきた信用取引の短期売買を行うこととして、資産が増えるに従い信用取引の割合を減らし、ここぞという時に出動する投資方法を考えている。

上場J-REIT隔月分配型ETF(1345):配当利回り6%前後
月足チャートを見ての投資判断も、大底圏にある銘柄の仕込みに活用することとしたい。運用資金が増えるにつれ、頻繁な売買を減らしある程度長期保有をすることも増えると考えているが、含み損が生じにくい安い買値で仕込むことができれば、長期保有にあたっての安心感があるためである。
割安度が特に顕著な新興市場・小型株について、長い目で見るならば、大底圏にあってトレンド転換の予兆が出ていることは、月足チャートと移動平均線の向きを見れば明らかとなりつつつある。
ただし、当初は中長期保有目的であっても、業績動向その他の材料によっては見切ることも必要であり、常にウォッチはしておきたい。
(下記銘柄の指標は2010/2/12時点)

シダー(2435):PER7.9倍、PBR1.8倍、配当利回り3.10%

PLANT(7646):PER3.3倍、PBR0.5倍、配当利回り2.02%

ワッツ(2735):PER5.2倍、PBR1.0倍、配当利回り2.59倍

ゲンキー(2772):PER5.5倍、PBR0.6倍、配当利回り3.39%

日本医療事務センター(9652):PER6.5倍、PBR0.5倍、配当利回り3.14%
目先の上昇でさえ、月足チャートで見れば初動にすぎないものが多いことに気づくだろう。
ファンダメンタルだけで見れば株価2倍は当然、新興市場・小型株人気が波及すれば株価3倍になっても割高感のない銘柄は、ここに掲載した以外にもたくさんある。
※なお、筆者は成長性も加味したキャピタルゲイン狙いの面が強いので、配当利回りを主目的とした長期保有では別の銘柄選定もあるだろう。
"2番底懸念"があるうちが買い時-2010年相場に向け本年のコラム総括 2009年11月28日
"2番底"が来るのかどうかの議論が聞かれるが、実体経済についての議論はいいとして、株価の2番底議論についてはほとんど無意味であり、"2番底懸念"が言われている間に買い仕込みをしておくべきであろうと考えている。
日経平均株価だけを見ているとわからないが、TOPICS、新興市場指数などは、すでに昨年11月高値、今年1月高値の水準にまで下落している。ファンダメンタルからすれば、新興市場・小型株については既に下げすぎである。

(TOPICS/JASDAQ指数)
株価は実体経済に先行して動くものであり、実際に2番底がくるかどうかはともかくとして、実体経済の2番底がくるかも、というレベルには既に落ちてきている。
しかしながら、昨年11月の状況と比較してみれば、いくら民主党政権の経済政策に対する不安・懸念があるにしても、ドバイなど新興国経済の不安、ドル不安や米国債・日本国債に対する懸念があるにしても、これらの懸念が他の危機に波及していかない限りは、下げすぎであろう。
下記は、東証1部の騰落レシオ(25日)であるが、昨年10月のリーマン・ショック時のレベルにまで下がっていることが、現在の株価の下げすぎを示唆している。
実体経済の2番底が来るこないにかかわらず、株価は2番底の到来を相当程度織り込んでいる。あるいは、覚悟を決めているようにも見える。

(東証1部・騰落レシオ(25日)、ゴールデンチャート社)
株価の"2番底懸念"を議論することの無意味さの別の理由は、今回の下げは個別銘柄によって様相がまったく異なることである。リーマン・ショック時にはファンダメンタルに関係なくほぼすべての銘柄が叩き売られたが、その時と様相は明らかに異なる。
市場の一時閉鎖すらありうると思えた暴落から、株価が回復することも、投資家は学習済みである。
個別チャートは省くが、海運株、電力株や、その他個別に業績の悪い銘柄については、とっくに昨年秋の安値を割り込んでいる。
その一方で、短期的には下落しながらも、上昇トレンドの中の押し目にすぎない銘柄も多い。リーマン・ショック前の高値を更新している銘柄もいくらでもある。
昨年安値を下回ったものから、上昇トレンドを維持しているものまで、銘柄による格差が大きく、銘柄選定が重要になっている。
TOPICSや新興市場指数の下落と比較すれば、日経平均でもう一段の下げもありうるが、長い目で見ての大底圏であることに変わりはない可能性が高い。
月次&年次運用報告-2008年12月/今後の投資方針 2008年12月30日においては、
「・しかし、上昇相場が続くと次第に買える銘柄が少なくなっていくので、ある意味ではボックス圏が続いた方が儲けやすいかもしれない。本格的な上昇相場(というものがいつ来るのかは知らないが)が来るまでにどの程度増やしておけるかが、ポイントになるかもしれない。それ以前の問題として、資産を温存しておくことも。
・いずれ日本の新興市場の反転上昇もあるだろう。上昇相場になったときの小型株の上昇率を想像すれば、元手をどれだけ用意できているかということである。」
と記載した。
本年7月以降、いつ下落があってもおかしくないことをコラムや月次運用報告において記載してきたが、今回の下落はまさに、ボックス圏の下限に近付くことによって、新規に買える水準にまで下がった銘柄が増えたことになっており、絶好のチャンスとなっている。
もう一段上げ、後、暴落待ち-資産1億への行程表 2009年06月13日においては、
「過去最大の資産上昇率を記録したここ7か月ほどの投資成績は、大暴落をきっかけとするものであったことが、この方針の有効性を示唆していると思う。
どの程度の調整がどこであるかはわからないにしても、1年の内に2回から3回はありそうなチャンスに備え、資産を温存しておくべきと、心して望みたい。
次の下落局面のピーク前後に、温存した資金4000万円を投入できるならば、資産1億円への行程が具体的に見える水準にまで、増やせる可能性が高くなってくる。」
と記載した。
実際の運用成績は下記の通りとなっており、直近の下げで減らしているものの、おおむね満足してもよい程度には資産温存ができている。

むろん、
「しかし、客観的なデータを見てみれば、1年間のうちに、2回から3回程度は、目立った下落相場があるものである。ほぼ1年上げ続けたように見える2005年においてすら調整局面はあったことを考えれば、2009年にも当然にあるだろう。」
とも書いたように、下落局面は2010年にもまた当然にあるだろう。
それでも、割安度が特に顕著な新興市場・小型株について、長い目で見るならば、大底圏にあってトレンド転換の予兆が出ていることは、月足チャートと移動平均線の向きを見れば明らかとなりつつつある。
昨年秋の大暴落以降、短期売買で資産を増やすことが可能になったのは、暴落ではすべての銘柄が同時に下げる一方で、底値からの回復は、個別銘柄の業績や需給などによりタイミングがずれていたため、好業績株の反転上昇相場を順番に手がけることができたためである。

新規に買える水準の銘柄が増えた状況は、短期売買目的のほか、配当利回りなども考慮した長期保有目的の銘柄の買いチャンスでもある。
月足チャートを見ての投資判断も、大底圏にある銘柄の仕込みに活用することとしたい。運用資金が増えるにつれ、頻繁な売買を減らしある程度長期保有をすることも増えると考えているが、含み損が生じにくい安い買値で仕込むことができれば、長期保有にあたっての安心感があるためである。
筆者の戦略としては、一部の銘柄は中長期投資ともする一方、東証J-REIT指数連動のETFなども含め、配当利回りも意識した現物保有をするとともに、従来より行ってきた信用取引の短期売買を行うこととして、その時々の運用方針は「月次運用報告」に記載する。

(東証J-REIT指数)
注意するとすれば、ドバイ危機や中東欧などの新興国の危機が欧州などを巻き込んで広がりそうなケースや、ドル不安、米国債、日本国債の不安が市場に顕在化するケースなどか。
世界経済はまだ何が起こってもおかしくない状況であることに変わりなく、資産運用において許容できるリスクを想定して望みたい。
