株安・原油高:今後の戦略をどうするか? 2008年06月29日
筆者は6月中に資産残高を減らしたが、遠藤製作所(7841)等の株価下落によるところがほとんどである。目立った銘柄変更はしておらず、超好業績株の保有継続をしてきたが、今後もこの戦略が有効かどうかをあらためて考えてみる。
悲観見通し楽観見通し 2008年04月04日で、
「戦略としては、新興市場や中小型株の中で、”超好業績株”のみを厳選する。これで十分の成果が出る。環境が悪くなった際には金・貴金属関連に資金をシフトする。」と書いた。
アサヒプリテック(5855)、松田産業(7456)、フルヤ金属(7826)がこのところ上昇しており、貴金属関連へのシフトが有効であることを示唆しているが、筆者はこのシフトをしなかった。ただ、金価格連動型ETF(1328)により利益を得た(いったん売却済である)。
決算発表一巡:今後の戦略をどうするか? 2008年05月18日では、
「米国不動産価格の下落がいよいよ15年前の日本と同様の軌跡をたどりつつある事実、商業不動産や自動車ローン、消費者ローンの延滞などに問題が波及してきている事実、FRBが金融機関に対し異常な資金貸し出しを増やし続けている事実、ヨーロッパや中国の不動産価格下落がアメリカ以上の惨状である事実。原油価格の高騰に続き、金価格が下げ止まりの兆候を見せてきた。」
と書いたが、これらの問題から、現実はやや悲観的シナリオに添った動きとなっている。
原油高、インフレ、欧米の不動産下落が追い討ちをかけ、ECBとFRBが協調できるかどうかが注視されている。
モノライン各社の格下げや格付け停止は、欧米金融機関の資産をさらに毀損させることが予想され、第2四半期以降も損失が見込まれる。この状況は決して楽観してはならず、NYダウが下げ止まるか、さらにもう一段安となるか、念のため最悪のシナリオ(NYダウ11000ドル割れ)も想定しておくことが必要であろう。

NYダウチャート(c)Yahoo.com
ただし、日本株は安値を割っておらず、NY株との連動性はあるとしても、比較的有利である。
また、日本の新興市場、特に好業績株は、下げ余地も限られており、逆行高するものもある。
銘柄選定が重要であり、従来の選定基準のままでよいであろう。
(1)業績予想が、数十%の増益、できれば倍増銘柄。(あるいはこれに準ずる大幅黒字転換)
(2)四半期・半期実績の進捗から、上記業績予想の達成あるいは上方修正が見込まれる銘柄。
(3)既に大底の安値をつけ、安値をその後に割っていない銘柄。
(4)PERは高くても15倍程度(できれば10倍)までの、上昇余地が大きく下落リスクが低い銘柄。
筆者自身は保有を継続してしまったため、含み損が増えてはいるが、結果として成長性のある好業績株でPER5~7倍程度の銘柄が増えている。閑散は仕込み時でもある。
さて、決算発表一巡:今後の戦略をどうするか? 2008年05月18日では、
「短期的には、全般は売りの局面が近づいている。といっても、利益確定の意味での売りであって、積極的に空売りなどをすることは勧めない。TOPICSの騰落レシオ(25日)120%、JASDAQの騰落レシオ(25日)117%などからも、このことがいえる。」
と書いた。しかし、このまま急騰するかも、という可能性もあって、売れなかった。
下記は、筆者の資産残高と、日経平均およびその騰落レシオの相関である。

(c)technobahn
http://www.technobahn.com/cgi-bin/fn/plot?r=9m&c=1011&s=medium&color=&with=upsanddowns
これを見る限り、直近では減少しているものの、日経平均株価や新興市場指数と比較してもパフォーマンスがよく、騰落レシオの上下と資産の上下にも相関関係がある。
今後は、騰落レシオが上限に近づいたら現金を増やし、騰落レシオが下限に近づいたら株式を増やすこととすれば、よりパフォーマンスが良くなることを示している。
筆者は6月中に資産残高を減らしたが、案外楽観的なのは上記チャートの相関を見ていただければ納得してもらえるであろう。
(※現在は信用取引で買いすぎであり、持株が1割少々上昇すれば資産残高が最高値近辺へ回復するポジションとなっているが、6月初めは保有を減らし、6月末から保有を増やすべきであった)
ともかく、筆者の資産残高は右肩上がりを維持しており、銘柄選択としては問題なく、戦略に変更はないと判断する。反省点は、現金と株式保有の割合の管理である。
新興市場の好業績株は、必ずしもNYダウ、日経平均に連動するとは限らないものの、影響は免れない。騰落レシオの上下を見て、持株を増やすか、現金を増やすか、判断するべきであろう。
原油高・株安の懸念のある状況においては、念のためキャッシュを増やして買い余力を増やしておくことと、原油高をヘッジできる可能性のあるものとして、金価格連動型ETF、東証上場の金現物連動型ETF、さらに新規上場するロシア株式指数連動型ETF、ブラジル株式指数連動型ETFに注目している。