ユーロ圏、経済統合深化させれば共同債の発行可能に=欧州委員長 2011年09月29日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-23392620110928?sp=true
[ストラスブール(フランス) 28日 ロイター] 欧州委員会のバローゾ委員長は28日、欧州議会で演説し、ユーロ圏はメンバーの17カ国が経済統合を深化させれば共同で債券を発行できるとの考えを示した。
同委員長は「ユーロ圏が統合と規律を確保するために必要なツールを完全に身につければ、共同債の発行は皆にとって自然で利点のあるステップとなる」と述べ、その債券は財政目標を守った国に有利となり、守らなかった国に不利になる仕組みとすべきだ、と指摘した。
委員長はその債券を「安定債」と呼んだ上で、「既に明らかにしているように、欧州委員会は今後数週間のうちに『安定債』に関する選択肢を提示する。選択肢のいくつかは現在の(EU)条約の枠内で実行できる可能性があるが、完全な債券は条約の修正が必要だ」と語った。
バローゾ委員長はまた、欧州連合(EU)では信頼感の危機が経済や社会的な問題を複雑化させており、発足以来最大の困難に直面しているとの認識を示し、「過去何十年もなかったような信頼感の危機が起きている」と述べた。
さらに、ギリシャは今後もユーロ圏のメンバーにとどまる見込みだとした上で、EU各国が経済統合を深化させなければEUがバラバラになる恐れがあると警告した。
同委員長は、ユーロ圏の安定確保のため、欧州中央銀行(ECB)が必要なあらゆる措置を取ると確信しているとも発言。ECBに全力を挙げるよう求めた。
欧州委員会は、ギリシャの銀行による実体経済への融資を支援するため、保証メカニズムの拡大を検討するとも述べた。
委員長はまた、ユーロ圏が20カ月に及ぶ債務危機を克服するために必要なさまざまな措置を列挙し、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の機能拡充に関する7月21日の合意の迅速な承認や、銀行の資本増強の推進を訴えた。欧州委員会がEFSFの能力を拡大する方法を検討していることも示唆した。EFSFの能力拡大は、イタリアやスペインといった大国を危機の連鎖から守るには不可欠とみられている。
さらに、恒久的救済メカニズムである欧州安定メカニズム(ESM)の導入を急ぐべきとの考えを示した。
委員長は、ひとたびEFSFが批准されたら、最も効率的に利用すべきであり、その目的を達成するために欧州委が選択肢に取り組んでいる、と語った。
また、金融規制強化を支持する姿勢を示し、格付け会社の監視強化案が年末までに打ち出される見通しとしたほか、金融取引税の導入に向けた取り組みが続いていると述べた。
委員長は「ユーロ圏加盟国は過去3年間にわたり、金融セクターを支援し、4兆6000億ユーロの保証を提供してきた。金融セクターが社会に寄与する時が来ている」とし、金融取引税によって、年間で最大550億ユーロの税収を得ることが可能との見方を示した。
さらに、欧州投資銀行(EIB)が景気支援で、より効果的に機能することが可能とし、「EIBのリソースや資本ベースを強化する方策を模索する必要がある。そうすることで、EIBが実体経済に寄与することが可能となる」と述べた。
委員長はまた、欧州委は今後数週間中に、財政規律の強化に向けた、欧州の経済統合を深化させる「単一かつ首尾一貫した」方策に関する提案を行うと確約した。
