景気再減速の中でFRB議長の選択肢限られる-QE2が残した課題 2011年08月09日
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920021&sid=af8thyhT4BlA
8月8日(ブルームバーグ):1年前、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長には2つの目標があった。物価下落の阻止と、経済成長の押し上げだ。議長の施した措置は、物価に対しては非常に良く効果を発揮し、債券市場は景気が現在再び減速する中で議長の選択肢が限られている可能性を示唆しているほどだ。
FRBが金融政策を決定する際の判断材料に使う、現在の5年後から5年間のインフレ期待を反映するブレーク・イーブン・インフレ率(フォワードBEI)は先週、3.23%まで上昇した。これは昨年12月以来の高水準。2010年8月は2.18%だった。
米議会が向こう10年間で2兆4000億ドルの歳出削減に合意したことで、経済成長が抑制される恐れが生じている。FRBは、昨年11月から今年6月にかけて米国債6000億ドルを購入する量的緩和第2弾(QE2)を実施することでインフレ期待を高めることに成功した。しかしその第3弾(QE3)に踏み切ればインフレをあおるリスクがあり、FRBが緩和策を通じて米国債相場を一段と上昇させるのは難しくなっている。
プルデンシャル・インベストメント・マネジメントのチーフ債券投資ストラテジスト、ロバート・ティップ氏は、「FRBはデフレリスクへの懸念を示すことにどんな苦労も惜しまなかった。そのため、異例な措置を取ることができた。今、QE3へのハードルは間違いなく高い」と指摘した。
新たな取り組みへの圧力
バーナンキ議長は今月、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれる年次シンポジウムに臨む。国内総生産(GDP)から消費者信頼感、製造業、住宅関連の各種指標が米景気回復の鈍化を示しており、議長は新たな取り組み実施の圧力にさらされている。
議長は昨年8月27日の同シンポジウムでの講演では、景気回復を確実にするため、可能な手段を全て講じる用意があると述べ、景気が鈍化すれば一段の国債購入に踏み切る可能性も示した。
当時、FRBが物価指標として重視する食品とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)価格指数は低下していた。10年3月は前年同月比1.8%上昇だったが、同年12月には同0.9%上昇となった。政策当局は、米景気がデフレに陥り、投資の妨げになるとの懸念を抱いた。
コアPCE指数は現在1.3%上昇に回復している。FRBは6月に、上昇率が今年1.5%-1.8%、来年は1.4%-2%になるとの見通しを示した。
