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円相場:史上最高値更新は不可避か、年末までに75円も 2010年08月30日

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aarZQoHmWsBw

「8月30日(ブルームバーグ): 菅直人首相は対ドルで史上最高値に接近する円高に対し、「必要なときには断固たる措置を取る」と言明した。トレーダーらは、円は対ドルですでに年初来8.6%上昇しているものの、最高値更新は不可避と予想している。

  インフレ率を考慮したウエストパック銀行実効為替相場貿易加重指数によると、円が1990年代半ばの円高水準並みになるには、47%上昇する必要がある。日本のインフレ率は1998年以来ほぼマイナスだった。ドイツ銀行も同様の実効為替相場に基づくと、1995年4月に付けた史上最高値79円75銭に等しくなるためには、円は先週付けた1ドル=85円22銭から同55円まで上昇する必要があるとしている。

  青山学院大学教授の榊原英資元財務官は「実質ベースで、80円を突破した1995年と比較して円はそれほど強くない」と述べた。さらに「1995年には日本は危機下にあった。それに比べれば、米景気が失速しつつあり、国内経済が比較的良好であるという点を考慮すれば、現状は危機的状況とは呼べないと思う」と指摘した。

  15年前と違い、日本は貿易で米国にそれほど大きく依存していない。財務省によると、日本の輸出に占めるアジア向けの割合が昨年初めて50%を突破したのに対し、米国向け輸出は16%と、10年前の約半分の水準となっている。

          成長率予想は欧米上回る

  日本の経済成長は減速しているものの、米国やユーロ圏の成長率を上回ると予想されている。ブルームバーグが調査したエコノミストの予想中央値によると、日本の今年の成長率は3.4%の見通しだが、米国は3%、ユーロ圏は1.4%となっている。失業率も日本は5.2%と、主要7カ国で最低にとどまっている。

  日本の経常黒字もトレーダーらにとっては好材料だ。貿易赤字のファイナンスのために外国資本に依存する必要がなく、危機の際の資本の避難先となっている。日本の7月の貿易黒字額は8042億円と、ブルームバーグのエコノミスト24人の予想中央値4463億円を上回った。ブルームバーグのデータによると、日本の外貨準備高は1兆100億ドルと、中国の2兆4500億ドルに次いで世界第2位となっている。

  伊藤忠商事の中島精也チーフエコノミストは、「日本は引き続き安定的に経常黒字を稼ぎ出し、金融システムは相対的に痛みが小さい」と指摘。さらに巨額の対外債権も維持していることから、円は世界景気の下振れリスクに対するヘッジ目的で選好されやすいと予想する。同氏は為替介入がなければ円は対ドルで80円を割り込み、史上最高値を付けても不思議ではない、との見方を示した。 」